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「断熱性能について」

 
「住宅性能をどこまでのレベルにすればよいのか」というテーマは、家づくりを考える時にとても大事なことだと思います。
しかしながら、一見難しいことだと感じてしまい、なんとなくで進めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。そこで、このコラムでは少しずつ皆さんにお役に立てる情報を掲載していきたいと思います。
 
最初のテーマは「断熱性能」についてです。
夏は蒸し暑いが続き、冬も寒さが厳しい日も多いこの湘南エリアです。この地域で一年中快適に暮らしたいとお考えの方にとって、この「断熱性能」はとても重要です。特に、近年は電気代などが上昇しているので「省エネ」という視点でも、興味を持つ方も多いと思います。そして、建物自体をどこまでしっかり性能の良いものにするかは、家を建てた時の最初に決まってしまうことでもあります。
これは住宅会社のスタンスによって大きく異なりますので、みなさんが少しでも知識を深めて家づくりに取り組んでいただくことが大事であると思っています。
 
まずは、どんな家が「断熱性能」が良いか、は「数値で判断する」ことが可能だということを知ってください。いまや自動車やパソコン、スマホまでもがその性能は数値で示され、購入の判断基準となっている時代です。
住宅においても「UA値」という数値で、断熱性能の「善し悪し」がわかるようになっています。もし、現在検討中の住宅会社があるのなら、「標準の家のUA値はいくらくらいですか?」と聞いてみてください。
「うちは○○です」と答えるようならまずは合格でしょう。「え~と…」などとすぐに答えられないようでは、断熱性能についてはかなり不安な会社かもしれませんので要注意です。

では次に、「どのレベルが良いのか?」ということになります。
「UA値」は数値が低いほど性能が良く、その基準は「次世代省エネ基準」という指標のなかで地域によって示されています。ちなみに、この基準は法的に義務ではないので、この基準を満たさなくても違法建築にはなりませんので、いまだに低いレベルの性能の会社は多く存在します。

湘南エリアは「6地域」「7地域」に該当され、「次世代省エネ基準」では、「0.87以下」とされています。この基準は「性能表示制度」の「温熱性能等級4」に該当され、「長期優良住宅」の基準でもありました。
しかし2022年10月からは、さらに基準が厳しい「等級5」である「0.6以下」となりました。これから家づくりを始める皆さんの家は、最低でも「UA値0.6以下」であってほしいと思います。

地域区分 1・2地域 3地域. 4地域 5地域 6地域 7地域
代表都市 札幌市 盛岡市 秋田市 新潟市 鎌倉市 藤沢市
等級4 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
等級5
0.40 0.50 0.60 0.60 0.60
0.60
等級6 0.28 0.28 0.34 0.46 0.46 0.46
等級7 0.20 0.20 0.23 0.26 0.26 0.26
HEAT20 G1 0.34 0.38 0.46 0.56 0.56 0.56
HEAT20 G2 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46
HEAT20 G3 0.20 0.20 0.23 0.23 0.26 0.26
地域区分 1・2地域 3地域. 4地域 5地域 6地域 7地域
代表都市 札幌市 盛岡市 秋田市 新潟市 鎌倉市 藤沢市
等級4 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
等級5
0.40 0.50 0.60 0.60 0.60 0.60
等級6 0.28 0.28 0.34 0.46 0.46 0.46
等級7 0.20 0.20 0.23 0.26 0.26 0.26
HEAT20 G1 0.34 0.38 0.46 0.56 0.56 0.56
HEAT20 G2 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46
HEAT20 G3 0.20 0.20 0.23 0.23 0.26 0.26

そして、この基準よりも更に高性能の基準が「等級6」や「等級7」となり、より性能をこだわりたい方はこの基準も視野に入れてほしいと思います。UA値は「等級6=0.46以下」「等級7=0.26以下」となっています。
 
最終的にどこまでの性能を求めるかはお客様次第ですが、一年中、どの部屋にいても快適な暮らしを少ない冷暖房費で過ごしたいなら、是非「等級6=0.46以下」のレベルで建ててほしいと思います。このレベルであれば、家の仕切りをなくしてプランでも、冷暖房を付けっぱなしにして、家全体を同じような気温で過ごせる可能性が高くなります。冷暖房費もそれほど費用が掛かりません。もちろん、「等級7=0.26以下」の性能であればなおのことです。
家に中に温度差の少ないということは、ヒートショックなどの心配がなくなりますし、なによりとても快適です。そんな生活なのにエアコンなどの冷暖房費が少ないというのも大きなメリットですよね。
では、このような「温熱性能等級6」以上の断熱性能を実現するためにはどうすればよいか、ということになります。

その対策には、大きく分けると2つあります。

①「壁」「屋根・天井」「基礎・床下」の断熱性能を上げること

②サッシの性能を上げること

この2つをより高品質なスタンスで、バランスよく取り組むということです。
①については、「性能の良い断熱材」を「厚く施工する」ことになります。一般的に多い断熱方法が「充填断熱」と言って、壁や屋根・天井の中に断熱材を入れこむ方法なのですが、壁の厚さは柱の太さに比例するので、ほとんどは105㎜というパターンが多く、断熱材も最大で105mmまでになってしまいます。よって、「充填断熱」しかやっていない会社はどこかで限界が生じるのが現実です。そんな会社が「等級6」を達成するのは間取りによっては難しいかもしれません。

ちなみに、ラボワットでは20年近く前から取り組んでいる、家の外側にぐるりと断熱材を施工する「外張り断熱」という手法をベースに、更に壁の中に断熱材を「付加断熱」として充填させる「ダブル断熱」という方法を採用しています。それによって全ての家で「等級6」や「等級7」をクリアすることが可能となっています。

 
また、②の窓のサッシについてですが、これも非常に大きな課題となります。窓はガラスなので、ただでさえ壁や屋根に比べると大きく性能が劣る部分となります。
すると、UA値の数値を上げるためだけに、「窓の大きさをできるだけ小さく設計する」という手法を提案される会社も存在したりします。しかし、これでは明るさや眺望を阻害してしまい、決して快適な家にならずに本末転倒な話になってしまうと思います。

「窓を小さくせずに家全体の性能を向上させる」ためには、サッシ自体の性能を上げることが一番です。具体的に言うと「フレームを樹脂製」にして、「ペアガラス又はトリプルガラス」にして、できればガラスの間には性能の良いガス入りにすることをお勧めします。

これらをしっかりと考えて設計することで、家全体が高性能の家になるわけです。もちろん、コスト的には決して安いものではなくなりますが、家が完成してから長い間暮らすわけですから、「快適な暮らし」や「省エネな暮らし」を考えた場合の長い目で見ると、ここはできるだけ性能の良い家にしたいところです。家が完成した後から将来的に「断熱性能」を上げるのは、とても難易度が高くコストも高額になることは言うまでもないでしょう。
 
冒頭にも述べましたが、これは住宅会社によってスタンスは大きく異なります。
みなさんも少しでも知識を持つことでその目を養い、その会社の考えをしっかり聞いたうえで、「家づくりを任せるべきか否か」の判断していただければと思います。
ラボワットでも、江の島ギャラリーにご来社いただければ、これらについてできるだけわかりやすくご説明をして、お客様の疑問点や不安点には全てお答えしています。
お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。